2023年9月20日(水)に、(株)新技術開発センター主催『不具合を未然に防止できる図面』の書き方と活用法、のセミナーを実施しました。
https://www.techno-con.co.jp/item/20413.html
【概要】
射出成形品には、金型から抜くための抜き勾配が存在するうえ、ひけや反りといった特有の性質があります。すでに3Dデータを利用して金型が設計される時代になっているとはいえ、射出成形品の仕上がり精度を正しく指示するには、射出成形品特有の性質を考慮し、幾何特性仕様(GPS)を意識して図面を書く必要があります。
しかし、実際には、射出成形品の性質を考慮していない図面や、ノギスで測れるような単純な形状を前提とした図面を見かけます。このような図面で生産した射出成形品は、寸法等の精度評価が曖昧になり、図面の意義が失われる結果、不具合や事故の発生を予見できないといった問題を引き起こします。
そこで、射出成形品の適切な図面の書き方を詳しく解説するセミナーを開催いたします。本セミナーでは、射出成形品の設計で豊富な経験を持つ講師が、設計者が意図する仕上がり精度を適切に図面に反映させるとともに、品質管理をする側にとっても意義のある射出成形品の図面の書き方をわかりやすく説明します。
【内容】
図面の必要性
- 2D図面の役割
- 図面は必要か不要か
- 3Dデータと図面との関係
射出成形品と図面
- 射出成形特有の問題
- 書きがちな図面と問題点
幾何特性仕様(GPS)の基礎
- 寸法の基礎
- データムの使い方
- 幾何公差の種類と使い方
- 記号の種類と使い方
成形品の性質を意識した図面
- 表題欄の工夫
- 成形品の置き方を意識する
- 成形品の基準を意識する
- 射出成形の特性を意識する
測定の基礎
- 寸法測定の意味
- 図面の書き方と測定器の関係
- ゲージの活用
図面と品質管理
- 開発プロセスと出図
- サプライヤーとの協力体制
- 相手方設計部品の図面管理
- 3Dデータの管理
3DAモデルへの進化
- 3DAモデルの概要と今後
- 当面の運用について